０．序章 2009年 自慢ではないが、私はへっぽこな『プログラマー』である。 （正確には、元プログラマー） 要するに、多少ＩＴに詳しいだけの無職のオヤジ。 仮にプログラマーとして評価した場合、実力は中の下。 そもそも、フツーに耐用年数を過ぎているトシだ。 すると、この先ＩＴ業界で食っていくとなると、これがなかなかに、ツライ。 過去にどんなコードを書いていても、 自分でＨＰを作っても、 ブログを更新していても、 山からキノコを採ってきても、 それで食っていけるほど、甘い業界ではないのである。 まして現在、世界的大不況のあおりを受けて、 これまで札幌で展開されていた携帯電話開発が、潮が引くように撤退しているような有様だ。 景気が回復すれば話は別だが、ＩＴ系の求人が乏しい状況では、 私ごときレベルの者が入り込む隙間なんぞ、そう簡単に見つからないのである。 じゃあ、スキルアップすりゃいいじゃん。 本来、そうすべきだと、私も思う。 が、いかんせん、仕事そのものが全然ない状況では、スキルアップは困難だ。 よしんば何らかの仕事が見つかっても、この状況では、単価が低いに決まっている。 そうなると単価の低さから、量をこなす必要が生じるだろう。 消耗戦になった場合、高年齢の私に徹夜は難しいし、若者と張り合うのは不利だ。 ・・・こうなったら、結論はひとつ。 『ジョブチェンジ』 すなわち、別の資格を取り、食いつなぐしかない！！！ もちろん、ＩＴ業界に戻ることが出来ればいいのだが、 この先、高齢者に分類されるであろう私が出来ることなど、底が見えている。 よって将来的には、資格で食っていくことを、究極の目標としたい。 では、どんな資格がいいのか？ 理想的な資格を考えてみよう。 �@業務を行ううえで、その資格を持っている人が、法律上、どうしても必要。 �A有資格者が不足している業種・・・取得するだけで、就職の手助けになる。 …ってヲイ。 書くのは簡単だが、そんな資格、本当に俺が取れんのか？？？ 軽く絶望する一方で、こちらの状況を確認してみる。 まず、無職。圧倒的に 無職。 となると、資格取得にあまりお金がかからないものが有難いし、 当然ながら 資格の勉強に年単位の時間を費やせるような状況ではない。 例えば、資格試験そのものが年に１回しかないと、 どれだけ勉強したところで、試験期間が過ぎてしまえば、翌年にならなければ取れないのである。 こういうのは、かなりマズイ。 しかも、現在の年齢でも取れて、なおかつ『使える』資格であることが条件だし、 引越し費用なぞ皆無だから、ここ札幌を離れるわけにもいかない。 これらの条件を鑑み、 そのうえ、自分の脳細胞が劣化していることを付加すると・・・ 難しい資格はパス！ 誰でも簡単に取れる資格が最高！ ………。 そんな資格があったとして、有資格者が不足しているはずなどない。 ハッキリ言って、ムシが良すぎる。 となると、ここは、記憶力の劣化をカバーすべく、ひたすら努力するしかないだろう。 だが、それだからといって、 『弁護士を目指す！』とか 『医者になる！』なんて遠大すぎる目標は、 もはや電波となんら変わらない妄想であり、単なる現実逃避。 世の中には、出来ることと出来ないことがある。 悲しいことに、分別のつかない年齢ではない （つか、４０歳過ぎて医師を目指すなんてのは、社会にとっても有害だ）。 あまりにも『夢のある』未来を想像し、お花畑に退避することは、許されないのだ。 そんなわけで、私が最初にやるべきことは、 手の届きそうなところにある資格を調べ上げ、リストアップすることだった。 ベースが自分自身という点で、致命的な人材難が生じそうだが、 この際、人材の質に関しては、贅沢など言っていられない。 やるしかないのである。 ただ、取れそうな資格だからといって、 それらを片っ端から取っている時間もないし、 サムライ商法に引っかかってもアウト。 そもそも、マイナー過ぎて仕事のない資格を取っても意味がない。 実際、私には、資格マニアをやっている暇もカネもないのだ。 ではまず、現在、私が持っている資格を揚げてみよう。 ＜運転免許＞ 普通自動車（ＭＴもＯＫ） 大型免許 牽引免許 大型特殊 ＜その他＞ Ｐ検３級 電話級アマチュア無線技士 うむ。確かに数だけは、いろいろある。 で、これらの資格は・・・ 今まで仕事において、何ら、丸っきり、全然、役に立っていないではないか！？ まぁ、運転免許系は運送業だし、分野の異なる業界にいたのだから無理もないが、 今回は、まったく別の切り口で、資格を見つけるべきであろう。 ・・・こうして今回、白羽の矢を立てたのが、ボイラー技士だったのである。

１．ボイラーの受験勉強について さて、目標が具体的に定まった。 『よりによってボイラーかよ！』 『そんな資格で食っていけるのか！？』 『また変な資格取って、結局、役に立ねーんじゃねーの？？』 ・・・いろいろな疑問が脳裏を過ぎるが、とりあえず気にしないでおこう。 邪推は集中力の邪魔だ。 で、勉強するなら、やっぱりＧｏｏｇｌｅ先生に聞くのが一番である。 そうと決まったら、ボイラー資格について調べてみよう。 …ふむふむ。 どうやらボイラーには、２級、１級、特級という区分けがあるらしい。 もちろん、一番難しいのは特級。 シロートがコイツに挑戦するのは、いくらなんでも無謀だろう。 まずは、２級あたりに挑戦するのが、身の程だと思われる。 では、２級の合格率はと・・・約４０％。 うーむ・・・。 これを高いと見るか、低いと見るか。 一応、誰でも簡単に取れるような資格ではないのは、確かのようだ。 さて、目標が定まったからには、資格に挑むため、戦略を立てる必要がある。 何の知識もない私が、無知のまま挑戦して、即、合格するようなものではないだろう。 よろしい。そんな知識、さくっとネットで勉強して・・・ ・・・ん？ ・・・んん？ ・・・うぅっ・・・ ・・・うむむむむむ・・・・・ 『だっ、ダメだぁ〜〜〜〜〜〜！』 ・・・５分で轟沈。早ッ！！ な、なんつ〜難解な専門用語が氾濫してる世界なんだ・・・ 冗談じゃない。 参考書を買ってきて本格的に勉強しないと絶対に無理だ、こんなん！ というか、一体どれだけ勉強すれば 自分が合格ラインに達するのか、その基準量すら見えないのである。 ・・・正直、甘く見ていた・・・・ こんなことでは、ボイラーの資格取得なんぞ、思いもよらない。 とにかく、勉強するに当たり、基準となる教科書や問題集が早急に必要だ。 思い直し、さらにネットで調べてみると、 社団法人日本ボイラ協会が出版している本があるらしい。 『二級ボイラー技士教本』と 『二級ボイラー技士免許試験標準問題集』だ。 どうやら、この２冊を基本にしてボイラーの講習を行うのが常道らしく、 試験問題は、事実上の教科書である 『二級ボイラー技士教本』の中から、出題されるのだそうだ。 すると、この２冊がないと、資格なんてお話にならない。 早速、ＧＥＴである。 その辺の本屋には置いていないため、 ボイラ協会まで買いに行くか、取り寄せる必要があるのが難点だ。 『二級ボイラー技士教本』 『二級ボイラー技士免許試験標準問題集』 手元に届いてみると、こんな感じである。 ただ、少々値が張った・・・ 教本が　\2,500円、 問題が　\2,000円である。 古本屋にでも売っていれば良かったのだが・・・ もっとも、あんまり古い教科書だと、それはそれで困るかも知れないしなぁ。 とにかく、これでスタートラインには立てただろう。 では早速、ボリュームを調べてみる。 うおぉっ、厚い！ なんと、３００頁近くあるではないか！！ ひえー・・・ こりゃネットで調べるとか言うレベルぢゃねーよ… 専門用語なんぞ、一瞬で忘却の彼方に行ってしまう。 心してかからないと・・・ 教科書にしても、単に読んだだけでは、どうにもならない。 これは内容をしっかり覚えねば・・・・ ただ、量が量だけに、 いきなり先頭からバリバリ始めるよりも、何か戦略を立てた方がいいだろう。 たとえば、ボイラーの試験に合格するのが目的なのだから、 教科書の中でも、特に重要なところを効率的に覚えるとか。 そこでボイラーの試験について調べてみると、 『構造』 『取扱い』 『燃料と燃焼』 『法規・法令』 の４つの分野から１０聞ずつ出題される、と書かれている。 選択式で、５問の中から１つ、回答を選び出せばよいらしい。 また、 これらのうち、各分野ごとの最低合格ラインは４０％で、 全体として６０％が正解すれば良い、とのこと。 なるほど。 そのためには、問題集が重要になるだろう。 きっと、この問題集の中からか、あるいは、似たような問題が出題されるのでは・・・ …アレ？？ ここに来て、違和感に気がついた。 何かが足りない。 あっ！！！！ この教科書、ボイラーの法令や規則についての 記述がねーじゃん！！ おいおいおいおい。 いくら問題集だけあって、元となる教科書がこんなんじゃ、ハナシになんねーよ。 まったく、困ったもんだなぁ。 法規くらい、教科書に載せといてくれよ。 結局、法規はネットからダウンロードして、自分で印刷するハメとなった。 印刷量は少なかったが、何か釈然としないというか、腑に落ちないなぁ・・・ ・・・まあいい。 とにかく、これで資料は全て揃った（ことにする）。 あとは、勉強するのみである。 重要な部位とかは、調べたけれどもよく分からないので、 まず、一通り勉強しつつ、問題集を解きながら、自分で判断するしかないだろう。 目標は、ズバリ！２００９年８月に行われる、ボイラーの試験に合格すること！！ 今は２００９年７月上旬だから、 １日６時間を勉強時間に充てるとして、これを１ヶ月くらい行う余裕があり、 集中すれば、何とか８月の試験に間に合うだろう。 とにかく、スケジュールを定め、どんどん勉強していくに限る。 …こういうところは、ＳＥのスケジュール管理と似ているんだよね。 納期は、自分自身の合格、という点で大きく異なるんだけど。 ちなみに具体的な勉強については、 教科書の内容を自分なりに敷衍して、ノートに書き写す、という方法を取る事にした。 専門用語は初耳ばかりだったし、イメージしにくい難解な用語も少なくなく、 一読しても、意味と内容が理解できないことが多かったためである。 このやり方が万人向けかは、正直、よく分からないが、 少なくとも、自分には向いていると思う。 もっとも、ノートに書いたからといって、後で覚えているとは限らないもので・・・ 教科書の区切りのいいところでいったん止め、 その時点で問題集をやってみると、たしかに満点に近いのだが、 それで安心し 内容をきれいサッパリ忘れてしまい、 後になって再テストすると、 用語の意味が思い出せずに苦労する・・・ということの繰り返しである。 傾向としては、 『取扱い』 『燃料と燃焼』 は、比較的得意なのだが、 『構造』 『法規・法令』 は、苦手な傾向が強かった。 なかでも 『構造』 は特に苦手で、基本は一応、分かっているのだが、 問題が少し高度になるとついていけず、誤りを連発してしまう。 それでも、２００９年８月１８日での最終的な試験結果は、次のようになった。 『構造』・・・・１３７問中、誤り２４問 『取扱い』・・・１３３問中、誤り１８問 『燃料と燃焼』・１３０問中、誤り１７問 『法規・法令』・１１２問中、誤り１４問 何とか正解率７割〜８割をキープ出来るようになったため、 今度はネットにある過去問に挑戦。 平成１６年前期の問題を、期間を置いて２度やってみる・・・ 最初はほぼノーミスで、不正解は１問のみ。 しかし、一週間後にやってみたら、ミスは６問に増えていた。 同じく、平成１８年後期の問題を、これまた期間を置いて２度やってみる・・・ 最初は７問もの間違い。 合格点ではあるが、ミス５問以内目標だったため、少し凹む。 一週間後に再挑戦してみると、こちらのミスは２問に減った。 他にも、平成１９年と２０年の問題にも挑戦してみる。 平成１９年度前期・・・ミス２問 平成１９年度後期・・・ミス５問 平成２０年度前期・・・ミス７問 平成２０年度後期・・・ミス４問 正直、久しぶりの勉強で、いささか寿命を削る思いがしたが、 まずまずの仕上がり具合になった。 …もしかして、合格できるかな？

２．シロートがボイラー試験を 受けるために必要な資格 さて、ボイラーについて勉強するのはいいのだが、問題点がひとつあった。 ボイラー技士試験というのは、 願書さえ出せば、誰でも受験出来るような資格ではないのである。 要するに、 素人がいきなり試験を受け、 たまたま運よく合格し、 好き勝手にボイラーを操作して事故でも起きた場合、 シャレにならない被害が生じる恐れがある・・・それを防ぐことが目的なのだろう。 そういえば、最近はあまり聞かなくなったが、 事故でボイラーが破裂した場合、鋼鉄製の本体が ロケット弾よろしく 壁も天井もぶち破って飛来する・・・という大災害も、あり得ないわけではない。 万一、付近を通行中の人間にでも運悪く命中したら、ひとたまりもないだろう。 よって、前段階として、 『ボイラー実技講習』というのを、受けなければならない・・・のだと思う。 あるいは、 コレはひょっとすると利権か？とも思ったが、ここでは深く追求しないでおく。 とにかく、何が何でもこの 『ボイラー実技講習』を受けに行かねば、受験資格が得られないのである。 だが、今まで使っていた教科書が、まったく使えないのには参った。 さらに、新しい教科書が２冊も必要となるのである（やっぱ利権なんじゃ・・・？？）。 ボイラー実技テキスト　\1100円 ボイラー図鑑　\1100円 講習用の教科書を揃えるのに、再度手間とお金がかかってしまったが、 かくなるうえは、何としても、ボイラーの試験に合格するしかない。 そのためにも、 面倒でも講習会に参加して、受験資格を得る必要がある。 ちなみに講習会を受けるために必要な費用は、１万６０００円也。 失業中の身には、非常に痛い出費だ。 支払う相手は日本ボイラ協会北海道支部で、 支払いが終わると、以下のような領収書を発行してくれる。 あのー・・・、１万６千円も徴収しておいて、いまどき『わら半紙』かよ？ とも思うが、 講習を受ける前にコイツを無くしたりすると 大変なことになるので、注意が必要だ。 講習は３日間にわたって行われ、会場に行く際、この紙が必需品となる。 受講日のところに判を押す欄があり、 受付に行くと、そこに出席印が捺印されるのだ。 ・・・やたら安っぽい判なうえに、本人確認の手順がザル同然なので、 ゴムで適当に偽造するか、替え玉受講しちまえ！という気がしないでもない（→ヲイ）。 なお、基本的に、遅刻・早退・欠席は許されない。 ただ、支払ったカネの分は講習を受けさせてくれるので、 急病で出られなかったような時は、 次回、無料で講習を受けられる模様（あくまで聞いた話である）。 ちなみに札幌の場合、北１条東２丁目にある 『共同会館』で講習が行われる。 札幌駅から東に向かって徒歩１０分くらいのところにある、やや古いビルだ。 会館の前に行くと、多少だが、二輪車を置けるスペースがある。 車で行く場合は、隣接して有料駐車場があり、１時間２００円也。 ただし、そこから更に５０メートル東に行くと また別の有料駐車場があり、ソチラは１時間１６０円だったりする。 講習が行われるのは３階の会議室。仕事柄か、女性の受講者は非常に少ない。 ２００９年８月は、およそ１２０名が講義を受けた。 椅子はパイプ式で、座り心地はあまりよくない。 ただ、会場内での飲み食いは原則的に大丈夫。 講習は、およそ１時間毎に１０分の休憩を挟みつつ、 朝９時から夕方５時まで、びっしり行われる。 途中、昼に ４５分ほどの休み時間があるが、それ以外は ボイラーについての講義が、スライド等によって延々と行われる （少なくとも、私のときはそうだった）。 また、講義が３日目ともなると、 今度は共同ビルの地下に行って、実際にボイラーを見学する。 特に作業着等は必要ない。 表からは分かりにくいが、 共同ビルの地下は、大型車が通行できる規模の地下通路になっている。 ビルの地下には、たくさんのボイラー（実機）が並んでいる。 季節が８月だったため、稼動していたボイラーは１機だけだった。 ボイラーの付属部品について、説明するためのテーブル。 ただ、説明がとても長く、ずっと立ちっぱなしなのが大変なため、 小さなもので良いから、折り畳み椅子を持っていこう。 ボイラーのシミュレータと、操作を学ぶための機材。 説明後、実際に動かしてみることになるが、動作が渋めで、けっこう力が必要。 なお、これらの講習時間は、付属部品との説明と併せ、およそ３時間半くらいかかる。 その間、ひたすら立っていなければならないのが難点。小さな椅子がマヂ必要。 また、場所柄か暑いので、扇子を持っていくと役に立つだろう。 ボイラー実技講習終了後、修了証とその写しが交付される。 修了証は記念に取っておき、写しは受験の申請書類に必要となる。 ２級ボイラー技士の受験用紙も配布されるので、 最低でも１部、持って帰ろう。 ＜館内の設備について＞ ビルの冷暖房は完備しているが、昭和３０年代（らしい）建築という本当に古いビルだ。 エレベーターに乗ってみれば、その古さが非常によく分かる。 むろん、トイレは和式しか無い（水洗だが）。 洋式に慣れていると苦労するかもしれない。 どうしても嫌な場合は、隣接するビジネスビルのトイレを借りるといいだろう。 飲料については、自販機は館内に数台あり、タバコの自販機もある。 北洋銀行のＡＴＭもあるから、とりあえず不自由はしないだろう。 また、地下に行くと食堂もある。 値段はリーズナブルだった。 ただし味については、食べてないのでよく分からない。 あと、比較的近くに弁当屋もあるが、昼休みは 周辺の会社員たちも利用するのでかなり混雑するため、アテになるかどうかは微妙。

３．２級ボイラー技士受験の実際 北海道のボイラー技士の試験は、 『北海道安全衛生技術センター』で行われる。 受験用紙は、実技講習の帰りに持ち帰らないとハマるので要注意。 なんでも、他の資格試験（クレーンとか）と共通らしい。 必要事項を記載し、写真を貼ってセンターに郵送する。 ただ、このセンター。 どういうわけか、札幌ではなくて恵庭市に存在するのだ！！！ 北海道なんだから、せめて札幌に存在してくれよ〜・・・ ま、言うてもしゃーない。 試験は８月２６日の、１３時３０分とのこと。 当日、恵庭に行くしかない。 センターは、恵庭駅から徒歩１０分くらいのところにあるらしい。 やや分かりにくいが、地図が着いているので迷うことは無いだろう。 で、試験票を郵送したら、こんな葉書が自宅に届いた。 これが受験票らしい・・・ な、なんというリーズナブルな？？ ・・・などと言っているウチに時間が過ぎて、はや当日。 午前中、まだ時間があったため、おさらいの意味をこめ、 これまで手付かずだった 平成２１年度前期の問題を解いてみることにする。 よっしゃ、楽勝！ ・・・と思いきや、なんと、これまでのテストで最悪の、不正解１０問！ 二桁なんて初めてだ・・・ しかも、苦手とする『構造』の正解率が、５割という有様。 こ、これはマジでヤバイ・・・ 一応、『使用方法』は満点を取っているものの、浮かれている場合ではない。 何かでミスをしたら、最低点の４割を切りかねないのである。 まさか、これまでで最低の結果になろうとは・・・不吉すぎるぅ〜〜〜〜〜！！！ だが、時間は待ってくれない。 ＪＲに飛び乗って恵庭市に行くことにする。 恵庭駅。 ここは、東口から降りないとエライことになる。 もし誤って反対側から降りてしまったら、いっそタクシーを利用したほうが早いかも？ 途中にある『ふるさと公園』。 家族連れで来て、試験中、この公園で子供たちを遊ばせておくのもアリかな？ ・・・などと、暢気に遊んでいる場合ではなかった。 地図によると、センターはここからかなり近いはず・・・先を急ごう。 歩いているうちに、どうやら、センターの裏手に出てしまった模様。 こちらにも、また公園があった。 なるほど、『北海道安全衛生技術センター』の裏に隣接して、小さな公園があるのか。 …にしても、いいオヤジが何人も、この小さな公園にたむろしている光景は、ちょっとシュールだ。 手に持っている教本を見ると、 彼らもボイラーの試験を受けに来たらしいのだが、 はたから見ていると、 中年過ぎたオヤジがブランコに座って ボイラーの教科書を読んでいるサマは、まさに不審者そのもの（苦笑）。 とりあえず無視して、センター入り口に向かうことにする。 『北海道安全衛生技術センター』に到着。 大人の足で、駅から大体１０分くらいか。 裏手はかなり広い駐車場になっている。 これなら、自動車で来ても大丈夫…かな？ 道路を挟んで斜め向かいには、セイコーマートがある。 ちょっとした買出しは、ここで何とかなるだろう。 センター内の受付。ここで受験料として７千円（当時）を支払う。 あらかじめ振り込むことも出来るが、ここで支払うと張り込み手数料がかからない。 ただし、支払い窓口に行列が出来ることがあるので、時間節約のためにも、振り込んでおいたほうがいいだろう。 ちなみに受験会場は２階である。 ２階に行くと・・・よく分からないが、学習室というものまである。 勉強するスペースまであるとは驚いた。 受験番号１＊＊・・・お、あったあった。この教室か。 実技講習の時とは異なり、新しく清潔な建物だし、飲料水まであるんでないの。 こりゃ至れり尽くせりだなぁ。 教室内の風景。 今回は１６０人ほどが受験する模様だが、 ひとつの教室毎に８０〜９０人ほどが配されるらしい。 教室内では、試験が始まるまでの間、飲食は自由である。 少し早く着いたので、 ヤマカンで出そうなところを再チェックしつつ、試験を待つことにする。 ・・・もっとも、このヤマカンは見事に外れることになるのだが・・・ 試験は、 開始してから１時間経ったら退出しても良く、 筆記用具は鉛筆やシャーペン、消しゴム、定規、電卓までＯＫ。 まぁ、２級ボイラー技士試験では、 電卓は稀に使うことがあるらしいけど、定規はいらんと思う。 回答については、いわゆるマークシート方式で、 試験および回答用紙は、前席から手渡しで渡されていく。 試験問題はＡ４用紙６枚の紙面に印刷されたもので、 端をホッチキスで無造作に留めてある。 なんか 自分が印刷した過去問と似ているような気がするくらい ずいぶんと簡素な試験用紙だ。 しかし、内容はシビアそのもの。 基本や要点さえ知っていれば簡単に解ける！という記憶力勝負だけでなく、 用語の意味やボイラーの構造、 付属品や取扱いの目的などを正確に理解していないと、サッパリ分からない。 後でチェックしてみると、 どうやら全試験のうち、７割くらいは何とかなりそうな感じだった。 それから１割引しても、６割には届くだろう。 さて、シロートがたかだか１ヶ月の勉強で、試験に受かるのであろうか？？ ここは、もし受かったときに備えて、免許証の申請用紙を持って帰ることにしよう。 さて、どうなることやら…

４．ついに通知が！ 試験から１週間…薄っぺらい手紙が届いた。 おお！　こっ、これは…！！！ この文字は！！ うおおおおおおおおおお！！！ これはこれは、努力の甲斐があったというものだ！！ いや〜、寿命が縮む思いをしたが、感無量である。 やはり、こうでなくてはいけない。 早速、免許申請を行うことにしよう。 申請用封筒の中身を出してみる。 これを持ち帰らないと、申請直前でハマることになるため、忘れず持ち帰るようにしたい。 申請用紙で書くところは、さほど多くない。 ただし、申請のために写真を用意したり、証紙が必要になるので注意したい。 また、簡易書留で郵送する（しかも返送分の切手まで必要だ）から、郵送料も高目である。 郵送してしまえば、あとは免許証が送られてくるのを待つばかり。 だいたい、１ヶ月くらいで送られてくるようだ。 いやはや苦労したが、手元に免許が届くというのは、とても素晴らしいことだと素直に思う。 この後、私はボイラーの資格とワンセットになっている 危険物取扱責任者乙種４類 の取得に再度奔走することとなり、それにとどまらず、更なる発展系として、 第２種電気工事士 第２種冷凍機械製造保安責任者 等といった資格を取得していくのだが それらはまた、別の物語である。 ５．その後(2014年) ２級ボイラー技士合格の約２年半後、１級ボイラー技士を受験し取得した私だが、 受験５年後の折目として、免許取得時に気づいた点をここに記しておきたい。 �@１級ボイラー技士は、すぐに取れ！！！ 「え〜、別にいいよ。２級あれば１級ボイラー技士なんて・・・」 という人もいるかも知れないが、時間が勿体ない。 すぐ受験すれば、再勉強の手間が大幅に省けるのだ。 とりわけ失業中であれば、１級ボイラー技士試験は受かっておいたほうがよい。 １級の資格こそ持っていないが試験には合格済み、と言えば、 面接でそれなりにインパクトが生じるだろう。 しかも２級ボイラー技士免許がＧＥＴ出来たら、 その瞬間から１級ボイラー技士試験の受験資格が得られる。 なるべく早い時期に受験しておくことで、受験勉強の手間が非常に省ける。 これは大きい。 その後、合格書類を手元に保管しておき、 ２年間の実務経験を積んだら、協会に書類を提出すれば良いのである。 １級ボイラーの受験資格と、免許が交付される資格とは別であることがポイントだ。 ちなみに金の無駄なので、１級ボイラーの教科書と問題集は買わないこと。 ２級の場合と異なり、まったく殆ど役に立たない。 試験の難易度は、２級と比較すると確かに上がるが、 オーム社の「設備と管理」に載っている １級の過去問を最新から３年分くらいやっていれば取れる。 毎年７回 × ３年 ＝ ２１回　←　これを３回くらい繰り返せば、たぶん取れると思う。 計算問題が２・３問出るが、過去問を解いていれば、そう難しくない。 �A冬に受験するな！！！ これは２級、１級にかかわらず言えることだが、受験地の恵庭市は意外と遠い。 すると悪天候時に何が起こるか？・・・は、あえて言うまでもないだろう。 ただでさえ、冬のＪＲ北海道はよく止まることで有名なのだ。 というか、ＪＲだけならまだマシで、 バスも何もかも停止、ということが実際に起こりえるのである。 実際、私の同僚が２月に１級ボイラーを受験したものの、猛吹雪に祟られ・・・・ 合掌。 遅延証明を提出すれば再受験出来るかもしれない、と 当人が涙ながらに語ってはいたが、その後、私が別の部署に異動したため、結果は知らない。 再受験出来なければ、まる一日苦悩し疲弊した揚句、７千円が消える羽目となる。 仮に再受験が出来たとしても、二度手間だし、モチベーションだって上がらない。 悪いことは言わないので、止むを得ない事情がなければ、冬期の受験は避けたほうが無難である。 ちなみに１級ボイラー受験者数は、北海道の場合、２級の半分以下だ。 一度の試験で１００人を超えることは、きわめて稀である。 その結果、受験会場の駐車場ががら空き状態となるため、 自家用車で行くというのも有力な選択肢だと思う。 とりわけ雨天時などは、駅から歩く手間を考えた場合、自家用車も悪くない。 以上、だらだらと書いたが、この手記がボイラー技士を志す方々の参考となれば幸いである。