福山発電所　2018年11月 　　貯水池の東側にある、発電機へ至る取水口。 　　ここから水を取り入れて、２２５０ＡＶの発電機を回したと記録にある。 　　今回は発電機室に入ることができなかったが、正式名称は、堅軸回転界磁解放自己流風型、といったらしい。 　　１度では覚えきれない名称である。 　　ただ、この発電機にかける村長をはじめとした人々の想いはとても高かった。 　　全国で初めてスクールバスを導入し、地元穂別高校の授業料を無料にしよう等、とても夢のある話を語り合っていたという。 　　ただ、そうは言っても、５憶円まで膨らんだ借金は待ってくれない。 　　債務が嵩んでお金が無くなった時、横山村長は私邸を売り払ってこれに充てる決意を下す。 　　村長にはもちろん妻子がいたというが、家庭のことを考えると、決断時の心情はいかばかりか？ 　　しかし、現実は非情であり、膨らんだ借金の前には焼け石に水だった。 　　４８歳だった横山氏は、穂別村を財政再建団体へと転落させた責任を取って、村長を辞任。 　　役場の職員たちの給与すら払えなくなってしまい、村行政は混乱に陥ったらしい。 　　腹いせなのか、前村長に対する監査請求が、何度となく求められたという。 　　が、無私の精神で発電事業に邁進した前村長をどれほど探ったところで、何も出るはずがない。 　　余計な労力と時間がかかった挙句、何もありませんでした、で済むのなら警察はいらないし、ちょっと御目出度すぎると私も思う。 　　新聞等に載った名誉棄損はどうしてくれる、逆訴訟だ！と、普通なら、そうなるはずだった。 　　が、その頃の前村長は、訴訟どころの騒ぎではない。 　　稼働を始めた発電所で、とんでもない事態が起きていた。 　　 　　穂別町のトップに戻る