富内駅　2018年11月 　　穂別町（現むかわ町）の最奥に近い集落に、小さな駅舎を見つけた。 　　旧国鉄富内線の富内駅（とみうちえき）である。 　　昭和６１年の廃止以降、旧富内線沿線に遺された駅舎は殆ど無いが、ここ富内駅はその数少ない例外の１つだ。 　　ところで、私の父と祖父一家が、かつて暮らしていた故郷はここ穂別町なのだが、その昔、祖父は穂別駅の駅長だった。 　　富内駅は、その穂別駅の隣駅にあたり、富内線の名の元となった駅でもある。 　　なお残念ながら、私自身はこの駅で乗降した記憶はない。 　　しかし、未だに駅舎が残り、往時の雰囲気が遺されているのは素直に嬉しい。 　　富内に来ると、その昔、家族揃って帰省した際に利用した、穂別駅を思い出す。 　　どこか自分の家に帰って来たような、ほっとする優しさが遺された駅のような気がする。 　　残念なことに、廃止された時期に比べ、富内集落の人口はかなり減ってしまった。 　　この素朴だけど素晴らしい昭和の遺産が、いつまで残っているかは分からない。 　　出来る限り保存されて欲しいと思う。 　　 　　穂別町のトップに戻る