石狩市 浜益地区 実田　2019年05月 　　実田とは聞き慣れない漢字だが、『さねた』ではなく『みた』と読む。 　　柏木地区よりもさらに東方、つまり海から見て奥のほうにある農村地帯である。 　　摺鉢山よりも東側に位置し、基本的には浜益川沿いで、かつ、中流域に広がる田園風景が実田地区だ。 　　また、浜益川は中流域で北や南へ分流しており、それらの川沿いには平地が広がっていて、いずれも小規模な農地となっている。 　　写真の家は、北へ向かう分流の、奥まった場所にある農家の跡。 　　離農してから四半世紀以上経っているらしく、今となっては居住されていた方の名前も定かではない。 　　表札の文字も掠れて読めなくなっており、家屋自体も傷みが激しく、逆によく建っていると感心してしまった。 　　この家の周囲には現役の田圃が広がっていたことから、農家の方が通い作をしていて、この家は納屋代わりに使用しているのだろう。 　　ただし電気は通じている様子で、農作業時に必要な電力は、この家から取得していると思われる。 　　昔はこの家にも、ご家族がお住まいだったのだろうが、ここは実田でもかなり奥地であり、開拓にはどれだけ苦労をなされたものか。 　　浜益の場合、漁家ならばともかく農家、それも離農し放置された家屋は、そう多くは無い。 　　私のＨＰでは、そんな家ばかり載せているから、多いように見えるだけである。 　　ただ、いつ潰れてもおかしくないだけに、残されているうちに見に行くべきだと思う。 　　今回の場合、季節も良かったが、倒壊した家屋もあるだけに、こうして写真に収めることが出来たのは行幸だった。 　　 　　石狩市のトップに戻る