石狩市 浜益地区 送毛　2019年4月 　　旧Ｏ山宅と旧Ｔ岐宅を、海側から眺めた図。 　　両宅はほぼワンセットといっていいほど、その構造と境遇が似通っている。 　　日本海側によく見られる漁場建築の典型的な例であり、かつて浜益においてはごく普通に見られた形式の住宅だった。 　　両宅とも、住む者が居なくなってから、どれほどけの月日が経ったのかは分からない。 　　昭和３０年代、鰊が獲れなくなると同時に、浜益全体から人口流出が始まった。 　　もちろん、ここ送毛集落も例外ではない。 　　否、ここ送毛では、そうした過疎化が、もっとも顕著に現れたとも言える。 　　実際、尻苗中学校の生徒数は、昭和３１年度、隣の濃昼中学校が３９人だったのに対し、すでに３８人しかいなかった。 　　たった１人減というなかれ、街の人口は濃昼よりも、１．３倍多かったはずなのだ。 　　恐らくだが、３００人くらいまで人口が減っていたのだろう。 　　孤立気味な集落を維持することが、いかに大変なのかを見せつけられる数字である。 　　やがてこの写真の両宅からも人がいなくなってしまい、現在に至る次第だ。 　　 　　石狩市のトップに戻る