石狩市 浜益地区 送毛　2019年4月 　　海岸近くに建つ、旧Ｈ田宅。 　　屋根の形状が見事だが、これは濃昼の旧Ｏ野寺家と同一だ。 　　恐らく、このような意匠を凝らした建物を作ることが、当時の流行だったのだろう。 　　９０年代に訪れたとき、この建物には人が住んでおり、また、海岸には海水浴客が見られたと記憶している。 　　海水浴客は、今でも夏には来るのかも知れないが、居住者がいなくなってしまったことは寂しい限り。 　　私が初めて見たとき、この旧Ｈ田宅は太陽の下、人が出入りしており、まるで海の家のような印象を受けたものだ。 　　しかし現在、控えめに見ても廃墟の一歩手前としか思えず、残念ながら、この家を管理している人がいるようには見えなかった。 　　誰からも顧みられることなく、日本海を眺め続ける旧Ｈ田宅。 　　漁場建築として意匠を凝らされたこの家が有効活用されずに、少しずつ潮風に晒され傷んでいく様は、もの悲しい印象を与えずにはいられない。 　　あれから鰊は、どこに行ってしまったのだろうか。 　　 　　石狩市のトップに戻る