石狩市 厚田地区 小谷　2017年5月 　　２階から、先に見たサイロを眺めてみる。 　　本当に大きなサイロだ。 　　しかし、厚田村史やサツラク乳業のＨＰを見ても、この農場に関する記述はない。 　　そもそも厚田村史は昭和４４年に発行されたきりで、続刊が出ていないのだからお手上げなのが現実。 　　周辺には神社こそあるものの人家はまばらで、この廃墟の経緯についての調査や聞き込みは、かなり難しいと思われる。 　　なお、巨大サイロ。 　　外見だけ見て現役かと思ってしまったが、どうやら使われていない様子である。 　　たぶん頑丈すぎて取り壊すのが大変だったか、それともこの施設が廃止された後も、しばらくの間、サイロだけ使っていたのだろう。 　　これもこれで立派な産業遺跡なのだが、特に保護されている様子はない。 　　いずれ人から顧みられることなく、少しずつ朽ちていくのだろう。 　　ここから少し北に行けば、そうして忘れ去られ、笹原に埋もれてしまった酪農家の痕跡だってある。 　　この地もいずれ、自然の前に埋もれてしまうのは間違いない。 　　ただ、このサイロはとても大きくかつ頑丈なので、当分の間は、ここ小谷の地に建っているのではないか。 　　そしてその足元には、国道からは見えないものの、コンクリート製の廃墟が眠っているのだ。 　　かつて、この地で酪農業を支えた巨大サイロ。 　　知られざる巨人は、共にあった酪農廃墟の墓標さながらに、今、静かな余生を送っている。 　　 　　石狩市のトップに戻る