石狩市 浜益地区 幌 旧北部小学校　2017年05月 　　廊下の先に、玄関を見つけた。 　　生徒たちの玄関だったのだろう。 　　保存状況は良好で、窓ガラスも割れていないし、これで閉校後２０年経っている、という事実に驚かされる。 　　当時のものと思しきスリッパが、下駄箱に残されているところも凄い。 　　余談だが、浜益から厚田、銭函、小樽市の忍路にかけての地域、つまり石狩湾沿岸部では、『上靴』の呼び名はすべて『ズック』で統一されている。 　　他の地域では、もちろん『上靴』。 　　たとえば札幌あたりでは『上靴』であるにもかかわらず、ほんの少し北に行くと『ズック』に変わるのだ。 　　お互い、わずか数キロしか離れていないのに、呼び名が急激にシフトするのだから面白い。 　　原因は、東北や北陸地方の沿岸部では、上靴のことをズックと呼んだから。 　　明治から大正、昭和にかけて、主にそうした地方から人々が入植した土地が、ここ浜益を含めた石狩湾沿岸地域なのである。 　　場合によってはスリッパさえも、ズックと呼んだという。 　　この学校でも、たとえば終業式の時に、ズックの忘れ物に注意、というプリントが配られたのかも知れない。 　　放置されているビアニカといい、その辺のドア陰から、ひょっこり先生が顔を出しそうな雰囲気だった。 　　 　　石狩市のトップに戻る