北海道航空専門学校　2019年05月 　　ガレージならぬ格納庫シャッターが並ぶ、先程の実習棟前へと戻ってきた。 　　かつてはこの中に、飛行機が格納されていたのだろうか？ 　　そう思って調べてみると、そんなことはなかったらしい。 　　記録上では、余市航空専門学校の設立は、１９８７年まで遡る。 　　ちなみに当時、私は受験生だった。 　　だから、道内の進学先については、一通り調べた記憶がある。 　　けれども、余市に航空専門学校があっただなんて情報は、寡聞にして知らない。 　　私は理系で工学志向だったため、航空系の学校ならば、選択肢として覚えていただろう。 　　滑り止めになるかも知れない学校は確かにチェックしたし、ましてや航空関連の学校というのは、全国的にも珍品だ。 　　実際に行くかどうかはともかく、私の記憶に残らないなんて、まずない。 　　ということは、受験生向けの学校案内に、最初から載っていなかったのだ。 　　事実、一部経済誌記事によると、開校当初、校舎は廃校となった某中学校の校舎を利用していたとのこと。 　　この時点でツッコミどころが満載だが、では、それは余市の、どこの中学校跡なのか？ 　　余市町はそれなりに広いとはいえ、中学校の廃校舎なんて、多くはない。 　　だからすぐ判明するだろうと思い地元の方に聞いてみたが、なんと、そもそも『昔』の航空学園の存在自体、知っている人に出会えなかった。 　　流石に、山中に放置されたこの施設については知っている人が多かったものの、それよりも以前、航空学園は、一体どこの中学校跡で、どなたが経営していたのか、判然としなかったのだ。 　　私の探し方が悪かったのだろうか？ 　　しかし、地元の人すら知らないということは、学校はまだ設立準備中で、生徒を募集出来るような段階ではなかったと思われる。 　　そうこうするうちに『バブル』が到来。 　　１９９０年、札幌の『菱興都市開発』が、本格的な学校経営に乗り出した。 　　この菱興都市開発こそが、大規模な校舎群、つまりここにある建物たちを建設した張本人である。 　　 　　余市町のトップに戻る