余市町 黒川　2020年09月 　　幹線道路である道道沿いを歩いていたら、意外にも、古い規格の賃貸住宅が遺されていた。 　　半ば野生化したコスモスの花が哀愁を誘うが、それはそれとして、対面式の玄関配置は珍しい。 　　外に出たらすぐ目前に他家の玄関があるということは、もしタイミングが合ってしまうと、強制対面してしまう。 　　意図せずに見つめ合った場合、お互いにちょっと、気まずい気のではないか？ 　　まさか、そのせいで借り手が居なくなってしまったとも思えないが、どうなのだろう。 　　私見では、左右の住宅はいずれも築後５０年前後で、かつ、放棄されて１０年くらい。 　　ただ、土地自体は今も最低限の管理をされていると思われ、奥の物干し竿には洗濯物が干されていた。 　　借り手はおらず、かといって取り壊されることもなく、花に囲まれたまま、月日だけが過ぎていくのかもしれない。 　　ちなみに、現存する賃貸住宅は２棟（４戸）だが、航空写真によると、本来は４棟（８戸）でワンセットだった模様。 　　道路を拡張する際、道路側にあった２棟が破却されたらしい。 　　昭和４０年代、大川から黒川にかけて大量に建てられた、三角屋根の賃貸住宅。 　　令和の今、それらは往時の暮らしを伝える、時代を超えたタイムカプセルとなっている。 　　 　　余市町のトップに戻る