余市町 黒川　2020年09月 　　先の煉瓦住宅の近くに、今度は木造の物件を見つけた。 　　真新しい近代的なマンションのすぐ隣に現れたのは、旧Ｓ司氏宅。 　　こんな素晴らしい建物が、新築８階建てのマンション真横の、ほとんど敷地みたいな場所にあるのだから、驚嘆せずにはいられない。 　　都会的な街中に、旧世代の農業建築が現存している様子は、ほとんど都市伝説だろう。 　　明らかに人の気配が漂う家屋なのだが、この日は無人だった。 　　聞くところによると、現在、所有者ご本人は、札幌で暮らしている模様。 　　しかし、ほぼ毎週末ごとに戻ってきて、庭の世話をしているとのこと。 　　その際、自宅の手入れもなされているらしく、昔の姿を今に伝える貴重な建物が、こうして遺されている。 　　つまりこの家は、まだ生きている、本物の『農家』なのだ。 　　郊外ならばともかく、都会のど真ん中としか思えない場所に『農家』が忽然と現れるのだから、誰だって驚くと思う。 　　地元の方は、違和感を覚えないのだろうか？ 　　それこそ、何十年も前から馴染んだ風景なのかもしれない。 　　 　　余市町のトップに戻る