余市町 黒川 2020年09月


  旧K谷氏住宅。

  黒川の一角は、普通に歩いていて、こういう建物がゴロゴロ出てくる。

  それでいて観光ガイド等には載っていないのだから、思わず首を捻ってしまった。

  旧K谷氏住宅は、平屋建てながらも見事な洋風建築であり、質量感というか存在感が他と一線を画す、素晴らしい建築物だ。

  玄関上にある飾りの〇印が、さりげないながらも強い個性を主張をしており、まったくお見事。

  窓などが一部改修されているとはいえ、往時の雰囲気がよく遺されており、建築作品として見た場合、文句なく一級品であろう。

  戦前どころか、より古い建物と思われ、しかし正確な築年が分からなかったのが残念だ。

  ちなみに、この建物。

  記念館どころか、観光名所ですらない。

  そもそも余市は、ニッカウヰスキーや旧福原家、旧運上屋などといった、とびきり歴史ある建物が多い町だ。

  そうした建造物たちと比較すると、この素晴らしい作品が埋もれてしまうのではないか?

  他の地方自治体からすれば、贅沢に思われるに違いない。

  それが余市の現実であり、魅力なのだと思う。



  

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