余市町 大川　2020年11月 　　銭湯から始まる２棟の集合住宅の裏には、一軒家が建っていた。 　　ほぼ同時代に建てられたと思しき物件で、位置的に大家さんの自宅と推測されるのだが、残念なことに無人家。 　　住宅地図を調べたものの、昭和末期から平成にかけて、居住者氏名は空白のままだった。 　　地図が正しければ、かなり昔から定住者が居なかった模様。 　　てっきり、大家さんの自宅か、一軒家の貸家ではないかと思っていただけに、拍子抜けしてしまった。 　　植物の繁茂状況から見て、手入れがされなくなって１０年未満、でも５年くらいは経っていると思う。 　　まだまだ住めそうなのだが、賃貸はしていないらしい。 　　それどころか、放置されてしまった可能性すらある。 　　銭湯が営業されていた時分、この界隈は賑やかだったことだろう。 　　集合住宅には、合計で２０人くらいが暮らしていたと推測されるし、こちらの家にも一家がお住まいだった違いない。 　　それが、少しずつ寂れていき、いつしか人々が居なくなり、令和の現在、こうなってしまった。 　　銭湯の廃業と、集合住宅の無人化は、いったいどちらが早かったのであろうか。 　　それにしても、廃業した『あさひ湯』には一度、入ってみたかった。 　　今となっては叶わない願いだが、無くなってから初めて『惜しい』と後悔してしまうモノゴトが、世の中にはままある。 　　銭湯が減少しているだけに、せめて、自宅近所の銭湯には、なるべく頻繁に入りに行きたいと思う。 　　 　　余市町のトップに戻る