伊達にまつわる祖父の話　第２話

旭川の師範学校（現教育大）を卒業早々、伊達に赴任してきた私の祖父。 伊達赴任とほぼ同時に（当時確か２５・６歳）、 身の回りの世話をする者も必要だろう…世間体もあるし…等々の理由により、 祖父は、身を固めることとなった。 結婚相手とは、すなわち祖母。 なんと、札幌の丸井今井デパートの、エレベーターガールの１人である。 …って、当時の最先端、かつ、道内で格式あるデパートの、エレベーターガール！ 花形だよ、花形！ 現代の基準で言えば、お天気お姉さんか、ちょっとしたアイドル並！ よくもまあ、そんな人と、結婚までこぎつけたものである。 にしても、祖父はどこでそんな人と知り合ったのだろう…と不思議に思っていたら、 何の事は無い。恩師が紹介してくれた見合いだった。 まあ、それは別にいい。なんであれ、祖父母は結婚後、幸せそうだったのだから。 だが、その見合いが、これまた信じられない内容だった。 なんと、お互い、 相手のことがよく分からないまま、その場で、しかもその瞬間に、結婚を承諾したのだという。 ハァ？！ せいぜい、３時間かそこら前に知り合ったばかりの人間と、即結婚ってヲイ…！ 祖父母とも 『当時はそんなもんだよ』 と言って笑っていたが… 幾らなんでも、何かおかしくないか？ それとも、２人の間に、何かインスピレーションがあったのだろうか…？？ これだけでも、現在の感覚からすると仰天必至（昔のＢ級ラブコメみたい）だが、 祖父が伊達に来た当時というのは、 教師としての経験ゼロ状態で、 おまけに、 家も、育ちも、性格さえも、まったく分からない妻との新婚生活の真っ最中。 これで何かトラブルが起きなければ、どうかしている… あまり詳しく書く訳にはいかないが、 少しばかり（というか、かなり）色々なことがあったらしい。 せっかくの機会なので、 祖父を偲んで、ひとつ、書いてしまおう。→★第３話を読む →★伊達の写真に戻る →★祖父の話目次に戻る